位相回転と干渉

スピーカーは何Wayがいい?

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初めてステレオを意識した時、3Wayスピーカが輝いて見えました。多いほど凄そうに思えた・・・。 高音域、中音域そして低音域まで迫力のある音が再生できると言う謳い文句も素敵でした。 確かにバランスのとれたスピーカーシステムは素敵な音がします。でも生活の中に入れ込むには大きくなってきました。

Boseのスピーカの能書きやサブウーハーの普及で、そして最近ではパッシブラジエーターの登場で考えが変わってきました。今では、ちょっと小さめのフルレンジ(1Way)+パッシブラジエーターが気に入っています。

ちょっとマルチWayスピーカについて考えていこうと思います。

スピーカは万能な特性を持った物はありません。単体スピーカでは高音域や低音域が減衰してしまう特性があります。また特性が乱れてしまう領域も存在します。

期待しない音を回避するには、音を周波数によって分割し、得意な音域のそれぞれスピーカに分けて担当させます。これがマルチWayスピーカです。 これで高音でも低音でも良いスペックで再生ができます。

ここで気になって仕方がないのが、位相遅れの事。

スピーカはコイルなので周波数によって抵抗成分が異なります。またそれぞれのスピーカの高音側でより位相が回転します。また音を周波数によって分割しスピーカに届けるクロスオーバーネットワークもフィルタ部によって位相が回転します。さらにスピーカはボイスコイルの動きが振動板であるコーンに伝わる過程で伝達時間があり、少し遅れた音が次々に合成する為に位相が回転します。

スピーカは机上では判断が難しい位相回転。ちょっとだけ考えてみる・・・。

原音に加え180度位相が遅れた音を合成した場合はどうなるのでしょう。 実はノイズキャンセリング機能のように合成波は打ち消されます。

原音に加え360度位相が遅れた音を合成した場合はどうなるのでしょう。実は音の信号が2倍になります。

フルレンジスピーカであればそれほど気にならない位相回転ですが、マルチWayスピーカの場合、個々のスピーカで位相回転を起こしています。 その為に、元々一つの音だったのが2つのスピーカから放たれた時に異なる位相となってしまうのです。

この為、合成された音はお互いに干渉し増幅や減衰が発生します。 この干渉は、明瞭度、臨場感などに影響を与えます。

重なり合うクロスオーバーの周波数帯域と、聞きたい音源の周波数帯域が重なると、聞きづらくなるのです。

皆さんは、一本のスピーカーを選ぶ時、どんな基準で選んでいますか・・・。

スピーカー配置

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昔、スピーカを沢山並べるサラウンドスピーカに憧れました。2度ほどチャレンジした事あるけど、好みの音とは違う世界でした。映画なら多少OKだけど、それ以外はは2chに切り替えないと厳しい音だった。配置や調整、その前にコンセプト決めが重要なんだと思う。

スピーカ配置を考える際に、スピーカの間隔だけじゃなく壁の関係も重要と言われています。 壁に反射した音が半波長遅れた時に、音の打ち消しが発生します。 また1波長だけ遅れた時には、音が大きくなります。 つまり周波数特性に山や谷が出来てしまいます。よって音が曖昧になる傾向があります。 指向特性の強い音域ならば影響は多く無いかもしれませんが、指向特性が無くなるサブウーハーでは影響が分かりやすいでしょう。 壁に厚めのカーテンを引き、反射波の影響を減らす意味も想像つくと思います。